まぁまぁ、焦らずに。

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「持たない幸福論」を読んだ

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読み終わったのは1週間くらい前なんだけど、「持たない幸福論」を読んだ。

 

 

これ、周囲の期待にこたえようとしてもがいていたり、「これが普通。それはだめ」という世間の目を気にしすぎている人が読むと、すごく気が楽になる本だと思った。

 

特に印象的だったのは、この図。

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人が生き方に悩むとき、この4つの段階があって、3が最悪、1が一番いい、という図。社会否定/肯定と自分否定/肯定の度合いが変わってくるステップのようなもの。

 

本から引用をしてそれぞれの段階を説明すると、

 

(1)自分も社会も肯定:「仕事もうまくいってるし自分自身も充実してる」

 

(2)自分は否定、社会は肯定:「与えられた仕事をうまくこなせなくて自分に自信が持てない」「家族や親戚に背負わされた義務に潰されそうだ」「やらなきゃいけないことはたくさんあるけど全然興味が持てなくて憂鬱だ」

 

(3)自分も社会も否定:「仕事なんて知るか、もうどうでもいい」「もう何もかもだめだ、あとのことは知らん」

 

(4)自分は肯定、社会は否定:「毎晩飲んだくれてやさぐれていたら周りにいる友人や家族の優しさに気づいた」「何も考えたくなくて失踪のような旅に出たら旅先で自然の美しさや世界の広さに気づいた」「外との連絡を絶って部屋から一歩も出ずに毎日ひたすらゲームをしているとすごく楽しくて少し楽になった」

 

※「 」内が本からの引用部分です。

 

で、なにが大事かというと、この全てのステップを通して、回復していくということ。

 

3の段階は一番よくないけど、その時期をうまくやり過ごせば、少しずつ自分を肯定、愛することができるようになって4の段階に進む。

 

4の段階になって、ちょっとずつ自分の望む方向性で意欲がわいてくれば、いつか1の段階にいける。

 

本では、一番よくない時期である3を「小さな死」と表現していた。要するに、本当に死にはしないけど、ある意味で精神が病みまくって、人生の休息のような時期。

 

この3の時期をうまくやり過ごすのがとても大事で、ここでまた「世間のプレッシャーが」とか「ちゃんとしないと」とか、自分より社会(周囲)を優先する気持ちが生まれちゃうと、どんどん3の闇に入り込んでしまう。

 

だから、この本を読むと「そういう生き方もあるんだ」と、著者phaさんの価値観を読んで、すっと気が楽になる。

 

 

この本は、うまく"小さく死ぬ"ための本だとも言えるのかなと思った。

 

 

 

最後に、本の裏表紙の言葉を。

僕が生きるうえで大事にしていること

1. 一人で孤立せずに社会や他人との繋がりを持ち続けること

2. 自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること

 

「こういう生き方もあるんだ」「考え方もあるんだ」とか、自分の立ち位置を認識するうえでも、よい本だと思った。

 

 

 

幻冬舎のサイトでは、本の最初の部分が公開されています。

www.gentosha.jp